テフロン加工とは?テフロンの特性や短所、加工・使用例について解説
2025年2月13日
フッ素樹脂テフロンは、耐熱性や非粘着性、耐薬品性など、優れた特性を持つ素材として広く知られています。そのため、フライパンなどの調理器具や、工業用部品、医療機器など、さまざまな分野で活用されています。
しかし、テフロンは加工が難しいとされ、高度な技術が必要とされる場面も多いです。
本記事では、テフロンの基礎知識から特徴、加工例について解説します。テフロンの特性を活かしたいと考えている人や、使用例を知りたい人はぜひご活用ください。
テフロンとは

テフロンは、テトラフルオロエチレンの重合体で、フッ素原子と炭素原子のみから構成されているフッ素樹脂の一種です。化学的に安定しており、耐熱性や耐薬品性に優れているのが特徴です。
米国デュポン社が1938年に開発し、テフロンという名称は登録商標名となっています。化学名はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)です。
テフロンは、フライパンなどの調理器具のコーティング材として有名ですが、電気機器や化学プラントの部品、高温・腐食性流体を扱う用途など、幅広い分野で使用されています。
テフロン加工とは

テフロン加工(フッ素樹脂加工)とは、フッ素樹脂を金属やセラミックスなどの基材表面に塗布し、コーティングする加工方法です。加工された表面は、フッ素樹脂の持つ「非粘着性」という特性により、モノが付きにくく、滑りが良くなります。
テフロン加工は、日常生活から工業用途まで幅広い分野で利用されており、テフロン加工と聞いて最初に思い浮かぶのが、テフロン加工フライパンです。このフライパンは、調理の際に食材が焦げ付きにくく、少量の油でもスムーズに調理できるため、家庭でもプロのキッチンでも愛用されています。また、汚れが落ちやすいこともメリットです。
テフロンの優れた特性

テフロンは、家庭用品から産業用途まで幅広く活用されています。ここでは、テフロンの優れた特性を解説します。
耐熱性・耐寒性
テフロンは、連続使用温度が260℃、一時的には300℃近くまで耐える高い耐熱性を持つ素材です。そのため、一般的なプラスチックが軟化や溶融を起こす高温環境でも強度を保ち続けられます。
高い温度が必要となる食品製造装置や高温の薬液が流れる容器、パイプなどの産業用部品としても多く採用されています。また、-250℃の低温環境でも安定して性能を発揮するため、幅広い温度帯での使用が可能です。
難燃性
テフロンは、フッ素原子と結合力が非常に強い炭素原子が結びついて構成されています。そのため、酸素などの他の物質が入り込みにくい構造をしており、焦げにくいだけでなく、錆にくいことが特徴です。
摺動性
テフロンの摩擦係数は非常に低く、プラスチック素材の中でもトップクラスの滑りやすさを持っています。潤滑油を使えない環境下でも、テフロン製部品は優れた摺動性能を発揮できるのが特徴です。軸受けや摺動部品など、摩擦を最小限に抑えたい装置で広く使用されています。
非粘着性
テフロンは、ほとんどの物質が付着しないという非粘着性を持ち、仮に付着しても簡単に取り除けるのが特徴です。調理器具や食品製造工程、さらには印刷機など、付着を避けたい場面で重宝されています。また、洗浄作業を軽減する効果も期待できます。
耐薬品性
高い純度が要求される製造現場において、耐薬品性は不可欠です。フッ素樹脂であるテフロンは、強酸や強アルカリといった多くの薬液や溶剤に対して高い耐性を持ちます。そのため、薬液容器や配管など半導体製造装置の部品として広く使用されています。
絶縁性
フッ素樹脂は、プラスチックの中でも特に優れた電気絶縁性を持ち、周波数や温度にも影響されにくい特徴があります。電子部品や半導体製造装置の部品として多く使用されています。
耐候性
フッ素樹脂は、紫外線や湿気、大気中の酸素による影響をほとんど受けない優れた耐候性を備えています。多くのプラスチックは野外に長い期間置かれると劣化していきますが、テフロンは野外に30年以上置かれても劣化せずに強度を保つことが可能です。撥水性も兼ね備えているため、建築分野では屋根材や壁材、シール材として幅広く活用されています。
吸収率の低さ
テフロンは、吸水率がほぼ0%と極めて低いプラスチックで、湿気や溶液による膨潤や劣化が起こりにくいのが特徴です。また、油や水、紫外線の影響も受けにくいため、屋外での使用や過酷な環境下でも安定した性能を発揮します。汚れや水分を弾き、簡単に清掃ができるため、食品製造装置などの衛生が重要視される分野で重宝されています。
テフロンの短所

万能に見えるテフロンにもデメリットは存在します。ここではテフロンのデメリットを紹介します。
高価である
テフロンは、他のプラスチック素材に比べて価格が高いというデメリットがあります。耐熱性や耐薬品性、難燃性、摺動性といった多くの利点を備えていますが、コストパフォーマンスの面で一般的なプラスチック素材と比較されることが少なくありません。
大量生産が必要な場合や予算が限られているプロジェクトでは、テフロンを採用することで費用が増大する可能性があります。用途に応じてコストと性能を慎重に選択しましょう。
成形がしにくい
テフロンは加熱しても流動性が低いため、簡単に成形ができません。また、やわらかい性質を持つため、表面に強い力が加わると凹みや傷が生じやすいという弱点があります。そのため、成形には特殊な技術や専用の設備が必要です。
テフロンの加工・使用例

テフロンはその特性を活かし、私たちの生活や産業、医療現場に広く活用されています。非粘着性、耐薬品性、耐熱性など、多くの利点を備えた素材であり、今後もその用途はさらに広がっていくでしょう。
調理器具
テフロンは、非粘着性に優れており焦げが付きにくいため、フライパンや鍋、炊飯器の内釜など、調理器具に使用されることの多い素材です。また、調理中の汚れも簡単に拭き取れることから、ガスコンロの表面にも使用されています。
医療機器
テフロンの耐薬品性と耐熱性を活かし、医療現場で多く採用されています。人分析装置や人工心臓の部品、人工透析システムの配管、カテーテル用部品など、薬剤や高温での滅菌が必要な医療機器に利用されています。また、従来ゴムやシリコンで作られていた注射器やチューブも、テフロン素材を使用することが増えているようです。
工業用品
工業分野では、バルブやベアリング、ガスケットといった部品に使用されています。非粘着性や撥水・撥油性、離型性から、食品製造工程や印刷機の部品、撹拌機にも採用されています。
半導体製造装置
半導体の製造過程では、強酸や強アルカリなどのさまざまな薬液を扱うため、耐薬品性が優れているテフロンが採用されることが多いです。薬液容器や配管、バルブ、ポンプ、ダイヤフラムなどの材料として使用されています。
まとめ
フッ素樹脂テフロンは、非粘着性や耐薬品性、耐熱性など、数多くの優れた特性を持つ素材です。その特性により、日用品から医療・工業分野まで幅広く使用されています。一方で、加工には専門的な技術が求められ、適切な取り扱いが重要です。本記事で紹介した内容を参考に、テフロンの特性や用途、加工方法を理解し、さまざまな場面で活用してみてください。
株式会社タキオンワタナベは、最新鋭の加工設備と徹底した品質管理システムを活用し、試作品製作から小規模・中規模の量産まで柔軟に対応する総合カスタムメーカーです。
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特に加工が難しいとされるテフロンも、熟練の技術者が高精度で仕上げます。フッ素樹脂加工に関するご相談やご要望がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。お客様の課題解決を全力でサポートいたします。